な た 豆
2001年 5月 (2009年12月 改訂)

ナタ豆に出会ったのはかれこれ10年以上前のことですが、この時に莢の大きさにビックリし
莢を割って中から出てきた大きな豆にも驚き、最初は物珍しさで栽培をしました。

ナタ豆は食用としては福神漬けに登場する以外、それほど一般的には知られておらず
最初に栽培した当時はもっぱら日除けと鑑賞用主体でした。(笑

その後ナタ豆には薬用としての効用があるとのことを知り、現在では後述します
「ナタ豆茶」作りのために収穫すべく栽培を続けております。


 
 
  • 種蒔きと発芽 5月14日 (種蒔きより10日目)
種蒔きは直播きより育苗ポットが最適で、5月4日にポットに1粒ずつの種を蒔いたところ10日目の5月14日に発芽しました。
  
ポットに12個の播種をしましたが、結果的には全てが発芽しました。

ポット蒔きの場合、発芽までの水の与え過ぎは種を腐らせてしまいますので充分注意すること。
 
  • 定植の直前 5月23日 (種蒔きより19日目)
胡瓜で、これだけの大きさになる期間は、裕に1ヶ月以上はかかりますが、発芽から双葉が見られるのはビックリするほど早く、こんな調子で伸びていくとどれ程の背丈迄に達するのだろうと思うほどの早さです。

発芽以降は成長が早いことから今度は水を切らさないように注意すること。
 
 
  • 畑に定植 5月25日 (種蒔きより21日目)
種蒔きから22日目で蔓もかなり伸びてきたので定植をしました。
定植にあたっては事前に畑作りは済ませてありましたので、特に高畝とはせずに平畝として定植しております。

1本あたり20莢ほどの収穫が出来ますので、必要量から逆算すると3〜4株で充分ですが、5本を定植しました。 株間は後日子蔓の支柱も必要となりますので7〜80cm程度は確保します。
  • 伸びてきました 7月5日 (種蒔きより62日目)
定植後、親蔓が伸びはじめるに連れて、脇芽も伸びてきますので、株元に近いところから伸びはじめた元気な子蔓を2本伸ばすように早めに支柱を追加します。
放置しておけば次々に子蔓が次々に伸びて葉が繁り過ぎますので、私は基本的に親蔓と子蔓2本の3本仕立てとして、それ以外の子蔓は全て切り落すようにしています。
また、親蔓と子蔓はそのままにしておくと勝手に電信柱の先端まで届くような長さに伸びていきますので、私は2mくらいの高さで切っております。
 
 
  • 開花 7月12日 (種蒔きより69日目)
ウッカリしている間に花芽がついてどんどん伸びてきましたが、最初の花の開花はしっかりと確認が出来ました。

花の大きさは豆の大きさに比例してかなり大きめで綺麗な花です。

現在では赤いナタ豆は毒性があるということで栽培をしておりませんが、こ こをクリックすると赤と白の綺麗な花が見れます。
  • 脇芽と先端の剪定 7月18日 (75日目)
花が咲き始める頃には次々に親蔓と子蔓の脇芽が伸びてくる部分から花芽が出てきます。

前述もしたようにこの脇蔓を放置したままですと、そちらにもどんどん養分を持っていかれますので、花芽の出ているところの脇芽は切ってしまいます。

剪定は3〜4日に一度くらいの頻度で実施しませんと、あっという間に蔓が伸びてしまいます。
 
 
  • 次々に着果 7月25日 (種蒔きより82日目)
播種から開花までには69日でしたので、3ヶ月少しで開花したことになりますが、開花しはじめて最初の頃は一週間も経たないうちに莢がぐんぐんと大きくなってきます。

ナタ豆はここから収穫出来るまでが普通の豆類と違って莢も中の豆も大きくなっていくのが緩やかでとても長い期間を要することになります。
  • 葉も繁り、豆も大きくなってきました
       7月30日 (種蒔きより87日目)

莢が大きくなってくる頃には葉からの光合成の活動を活発にさせるためにある程度の葉を必要としますので、花芽の無い部分の脇芽は全て切らずある程度を残しこんな具合に繁らせます。

脇芽をまったく剪定しない場合には、蔓が全体に覆い被さってしまい頭でっかちとなって、過去の経験では台風のシーズンには支柱がとても耐え切れずに倒壊してしまいますので注意が必要です。

 
 
  • ナタ豆の全長20cm 8月7日 (95日目)
花が咲いてから2週間ほど経過すると20cm弱の大きになりましたので莢の中が、どんな状態になっているのかと思って切ってみたところ、まだ鞘の中に
豆が出来ている兆候は見られませんでした。

カットした断面を良く見ると、この様な形をしたものが福神漬けの中に入っているのが分かります。
若莢は食べられるということからスライスしたものを塩・胡椒で炒めてみましたがそれ程美味しいものとも思えませんでした。(笑
  • 葉が黄ばんできました 9月25日 (144日目)
畑に植えておいたナタ豆です。 支柱は3m弱の竹を利用しましたが、更にそれ以上に伸び、これ以上は支柱の施しようもなく先端は蔓がからまって、重くなったので台風などで倒れないように蔓の先端部を刈込んで軽くしたり支柱の補強をし順調に成長しまだ青々しています。
ナタ豆の後側の枇杷の木が見えない状態です。
ナタ豆も、花壇に植えたものとは違って手入れをしたことから、数量も大きさも桁違いでとても巨大なものとなりました。
 
 
  • そろそろ収穫できます
         
    10月14日(種蒔きより163日目)
10月に入るとかなり分厚かった莢も薄くなってきて莢の色も黄色くなりはじめていよいよ収穫出来るようになってきました。

莢の緑色が少しずつ薄くなって薄茶色に変わっていきますが、僅かでも緑色が残っているうちは収穫をしない方がよろしいかと思います。
  • 若莢と収穫時の比較
写真の左側は8月21日に撮影したものですが、まだ中の豆は殆ど生長しておらず、右側のものは10月14日のものですが、よく見ると中の豆がしっかりと膨らんできていることが判りますが、中の豆は9月中旬以降になってやっと大きくなるようです。

これが冷涼地で栽培した場合には、花が咲き莢も出来るのですが、中の豆が育ってくる頃に温度不足で大きくならないということが、今迄に差し上げた方から報告で頷けるように思います
 
 
  • 最初の収穫です  10月14 (163日目)

天気の良い日に完全に熟した莢から順次収穫をしていきますが、全ての収穫を終えるまでには、ほぼ一ヶ月ほどの期間となります。

収穫の出来る10月には比較的に雨の降ることもあり、収穫時期に雨に当ると写真では少し判り難いのですが、莢の表面にカビが生えて黒ずむことがありますが、これによって中の豆への影響はまったくありませんので心配する必要はありません。

  • 収穫終了 11月12日 (種蒔きより192日目)

全ての収穫を終えて蔓の撤去を迎えたのは既に11月の半ばで、結果的には播種から撤去まではほぼ半年を費やしたことになりました。

収穫したものは莢を手で割れば簡単に取り出すことが出来ますが莢が硬いので注意して下さい。
ゴザの上に置いて運動靴で軽く踏みつけて莢を割るのが一番簡単ですが、放置して居ても少し時間は掛かりますが自然に莢が割れて中から豆が弾けて出てきます。

 

終  り
なた豆 作りで感じたこと    <2003.10.15>

< 種の蒔き時 >
蒔き時につきましては地域のよって差があると思いますが、一般的には4月に入りましたら蒔かれることがよろしいかと思います。  暖地であれば5月中頃までは問題なかろうかと思いますが、出来るだけ5月初旬には完了されることをお薦めします。  その理由は、なた豆は開花から収穫までに豆科としては大変長い約6ヶ月という期間を必要としますので、遅くなると実付きが悪くなります。 特に北陸/信州地方並びに東北以北の冷涼地や寒冷地等につきましては収穫に結びつかなかったことが、種を差し上げました方からご返事を寄せられております。

<種蒔き> 
 ・豆科植物は、連作障害が出るといわれますので、同じ場所への作付けは避けた方が良いと思います。
 ・種採りをお考えの場合には、メンデルの遺伝の法則でも「豆」を使用されているように、交雑などが考えられるため他
  の豆類と出来るだけ離して植えた
方が良いと思います。
 ・ポットでの種蒔きの場合は、最初にタップリ水をかけたら、その後は乾燥する寸前で補水する程度として下さい。
  あまり発芽前に水をやり過ぎますと、種を腐らせてしまう原因になります。 (乾燥させることなく適度な湿気を保つ)
 ・発芽し始めますとポット蒔きの場合には、どこからともなく「ナメクジ」が現れて茎や葉を食べにきますのでご注意を


<定植後の手いれ>
 ・定植後、一週間くらいで根が活着しますと、一気に蔓が伸び始めてきますので、苗が倒れないように適当な支柱で支
  えてあげてください。  一旦、蔓が伸び始めますと大変硬くまた、強く巻きついてしまいますので、最初から2m又は
  それ以上の支柱を使用した方が良いと思います。
 ・追肥については、花が咲き始めた段階で配合肥料を株元から2〜30cmくらい離れた場所に土を掘って充分に与えま
  す。 株元から掘る場所を離すのは、シッカリ伸びてきている根を切らないようにするためです。
 ・背丈が伸び始めますと数メートルにも達しますので、管理のできる2m位の高さになった段階で、芯芽を摘んでそれ以
  上にならないようにしたほうが良いと思います。 
  更に脇から新しい蔓(つる)が次々に出てきますので、これらもあまり伸び始めましたら、同じように新芽を摘みます。
  これをやりませんと上の方で蔓がからみ合って重くなり、台風の時期などに支柱が絶えられずに倒れたりするだけで
  なく、無駄花が増えるだけであまり良い豆が収穫できなくなることになります。


後は、10月中旬から11月にかけて莢が黄色くなってきましたら収穫です。  尚、大きくなってから豆の収穫をするだけでなく、若くてまだ青々しい頃に収穫してみて色々お試しになって食べてみて下さい。  (*^-^*)ノ


皆様からの情報をもとに収穫しました、なた豆を利用して 「なた豆茶」 なるものを作ってみました。
効能につきましては定かではありませんが、こ こをクリックしますと製作過程がご覧頂けます。