おじさんの ”目” から見た
"桃岩荘ユースホステル" というところ

特に最初からそれ程の関心を持って写真を撮っていたわけでもないので、それ程多くの内容を
紹介できるものでもないが、数少ない写真の中から垣間見た桃岩荘YHを紹介してみます。


礼文島香深港には迎えの車がきていた。 あとからの写真でもお解りのように、人を乗せるのは幌付きのトラック。 但し、送迎用に固定式の椅子が取り付けられているが、溢れた人は床下に座り込む。 リピーターの客は、荷物輸送用のワンボックスシート席に待遇は優遇されているようだ。 (笑

桃岩荘までの車中については、先に少し触れておいたたが、15分足らずで港から到着すると玄関にトラックが後ろ向きでピッタリと停車する。 玄関が開くと、客が一気にトラックからなだれ込んで入荘するのだが、この模様は後述しよう。

建物の中に入ると早速、この施設の案内や規則等の説明と称したミーティングがある。
左の写真は施設の案内をもう一人のヘルパーさんがパフォーマンスをしているのであるが、左手に注目「階段を上がってそれを進んだところに食堂がある」ということなのである。

一通り施設の説明が終わると、ここ礼文島に関する観光についての、見どころや食べ処などを面白おかしく、且つ詳しく説明がされる。 ここ礼文島に日本最北端の「鯛焼き屋」があるそうで、しっぽまでしっかり入った餡子はとても美味しいそうだ。(笑 
説明の中で、一つビックリしたのは、桃岩荘からの帰りであるが、『徒歩でフェリーの出発する港まで帰って頂く』ということである。 それが、上の写真にもあるように、桃岩荘から港までの順路を詳しく説明される。 何でも小一時間は掛かるとのことだが、これはこれで見知らぬ土地、それも日本の最北端の島を探索しながらお帰りくださいと、仲々理にかなったこととも言える。 こんなことなどもあってか、30分前倒しした時差を設けている桃岩時間は、フェリー出航に遅れないための配慮と納得できる。
さて、夕食後の桃岩ミーティングであるが、これは前述した
ので割愛するが、左の写真は、ヘルパーさん(前列)と客がこのような形で、7時20分から始まり10時迄の間、大いに騒ぎまくるのである。

翌朝は、遠くが霞むほど雨が降っており、そのうちに雨もあがるということで居残りぐみと「北海道談義」の輪の中に入れてもらう。
と、そのうちにヘルパーさんから「全員集合」な掛け声がかかる。 どうやら、部屋の掃除を協力して手伝って欲しいとのことである。 「宿賃まで払わされて何事であるか」と思うところであるが、これまたヘルパーさんの向上が洒落ている。 「掃除競争」をはじめましょうと言うことなのだ。 最初は大広間からで、前列に箒部隊が並びその後ろに雑巾部隊が位置して、笛や太鼓、掛け声に併せて掃除が始まるのである。 ちなみに私は掛け声部隊と写真撮影。
ここが終わったところで、食堂に行く。 ここでは私は雑巾部隊に所属。「用意、ドン」の掛け声で雑巾を持った人達が横に並んで約10m程の部屋を一斉に走るのである。
三往復ぐらいしたであろうか、途中足はもつれる息は切れるで、ばててしまった。 しかし、食後の運動としては最高のもので、最初に頭によぎった「私は客である」ということは、既にこの次点で頭の中から消えていた。
10時ごろには、雨も完全に上がり島の岬もハッキリ見えるようになった。 しかし、水溜りと下がぬかるんでいることからあまり出歩くことも出来ず、歩いて20分位したところに港があって、そこに一軒だけ漁師の店「佐藤売店」という食堂があり、取れたての美味いウニ丼や魚介類を焼いて食べさせてくれるということで同室の居残りメンバーと出掛けた。 昼食にしては随分間もるので、ホタテ、つぶ貝とトドの肉を焼いてもらいウニ丼は「小」にした、。 桃岩荘では、酒類禁止だったので早速ビールで一杯、最高でしたね! ちなみに、トド肉を食べたら証明書を頂きました。(笑

戻ってきて、一息ついたところで、ヘルパーさんからまた声が掛かる。 今度はこれからフェリーでついたお客さんが桃岩荘にやって来るので一緒にお迎えして下さいというのだ。 
出迎えには、太鼓、ラッパ、カスタネット、拍子木等など賑やかい音の出る小道具が準備される。 そこへ例によってトラックが玄関横付けとなり、玄関が開くと客が一斉に飛び込んできて賑やかなお囃子でお迎え。 そこで、お客さんから「行ってまいりました」の掛け声、こちらから「お帰りなさい」で、お迎えの儀式が終わるという段取りである。
成る程、我々がやってきた時も大分賑やかだったが、こんなことであったのかと納得した。

今日は、あいにく雨が降って道路もぬかるんでいるということから、車で港まで送ってくれるとのこと。 12時を廻ったところで、フェリーで帰る人達が例のトラックに乗る。 ヘルパーさんがかなりの距離を走って見送ってくれた。
ところで、行きに捨ててきた「知識・教養・羞恥心」は帰りに拾ってきたっけ? (爆


フェリーに乗る前に、ヘルパーさんから「皆さんは必ずフェーリーの後ろのデッキに出てきて下さい」と念を押される。 訳も解らないままに、荷物をキャビンに於いて指定されたところに出てみると、な・な・なんと10数人の人達が岸壁に整列しているではないか。 リピートの帰り客に聞いたところ、連泊でその辺に買い物や見物にきていた人達が出航時間に合わせて集まり、一緒に見送りをしてくれるとのことだ。

前の晩に、歌って踊って騒いだ時の礼文の歌や替わり歌をここでも披露してくれた。 送られる側も一緒になって歌いだす。 そしてこの様は、フェリーが出航し声が聞こえなくなるまで続けられており、豆粒程にになっても岸壁では別れの手が振り続けられていた。
デッキでは、既に何回か来ているという女性が、この見送りを受けながら大粒の涙を流している光景を目にした。(彼女達には、この画像をHPに掲載することを了解してもらいました。 ・・・ 偶然でも見てくれるといいんですがね。)
桃岩荘YHというところは、なんたってリピートが3回だ、5回目だという人達が見受けられるというのも、すべからくこういったことが、ここに来た若者達に受け入れられるんだなと、おじさんはあらためて感じると共に納得もした。


終 り