バラの育て方 〜 その1〜

冬のバラの剪定について


2009.1.22
  何の知識もないままにバラ作りを始めて僅かに2年弱の私が、島田ばらの丘公園が開催するバラの講習会に出掛けて、 勉強したことを備忘録として書きとめてみたものですので、あくまでも参考としてご覧ください。


§冬の剪定の目的は
  1.古い枝や枯れこんだ枝を切り取り、春に新しい枝を出させる。
  2.ある程度切り込んで、春の一番花を適切な位置で咲かせる。

§剪定の種類には処理する枝を切る深さによって
  1.枝の2/3を切る強剪定
  2.枝の1/2を切る中剪定
  3.枝の1/3を切る弱剪定    
 に分けられますが、冬の剪定は2/3程度を切り込んだ強剪定を目安にします。
ある程度年数を経た生育が良好な成木であれば、弱剪定として芽数を多く残しても立派な花が咲きますが、樹勢の弱い木では沢山の芽が出ても一部例外もあるようですが、それは柔弱しく立派な花を咲かせることは難しいようです。

§剪定にあたっては、「慎重かつ大胆に」することが肝心だそうです。
  1.慎重にとは、
    一度切ってしまった枝は元に戻すことは出来ません。
鉛筆や割り箸のように細い枝を残しても、そこから出てくる新しい枝は、それ以上のものを望むことは出来ません。
そこで細く株元から出ている枝や脇枝によって混み入ったことにより全体が判りにくい場合には、そのような枝から順次切り落として、残すべき枝を慎重に決めることです。
もう一つは、優性枝劣性枝を見極めて優性枝を残して劣性枝を切り落としますが、見極めの方法としては真っ直ぐ伸びた本枝の下の方からそれよりも太い元気な枝が伸びている等の場合ですが、こちらが優性枝ということになりますので、本枝の真っ直ぐ伸びた方はすっぱり切り落とします。(これは後ほど写真で説明します)
  2.大胆にとは
細かい枝払いが出来たところで、最後にどの枝をどのくらいの長さに切り落すのかですが、冬の剪定では選定の種類のところでも書きましたが、芽をどの方向に伸ばすのかを良く観察した上で、冬の剪定では強剪定とします。
しかし、暮ぐれも一度切ってしまった枝は元に戻れないことを念頭にです。

§剪定後にどのくらいの本数を残すのか
選定の種類のところでも少し触れましたが、これについては一概に何本という決め方はないようで、バラの品種や樹勢などによって決めることになります。
バラ園のように数多くのバラが密植して植えられている場合には、春になって元気な枝が伸びて、更に脇枝が伸びてくることを考えると、あまり本数を多くすることは葉が繁ってきた時に日影ができたり、病気にもなり易く好ましくないようです。

§以上のようなことを踏まえて、実際に我家のバラで剪定をしてみました。  

左写真の正面中央のに見える一番大きなバラが、2007年6月に植えたハイブリッドティー系のザ・マッカートニーローズでまだ2年弱ですが、樹高は正確には測定してありませんでしたが、ほぼ1m50cm程はあったかと思いますが、このバラは成長も早く樹勢も旺盛で、病気にも強く育て易い品種です。
バラは1月になれば葉が落ちて休眠期に入り、この時期に剪定をしますが、未だに葉が残っており12月中旬過ぎには葉を落して強制的に休眠に入らせても良いようです。

写真右は株元の状態が判るように写したものですが、先ずこの段階でおおむねどの枝を残すのかの判断をしてみますと、このバラの場合には真っ直ぐに伸びている枝が9本ほど見られますが、それ程細い枝は殆どありませんが、優勢枝を残して劣性枝を切り捨てて、残す枝の本数としては4本くらいが妥当なところのように思います。
さて、ここで剪定についてもう少し具体的に述べていきますが、ここで枝の種類について書き添えておきますと、主幹(しゅかん):株元からでている一番太い幹の枝のことをいい、主枝(しゅし):主幹から分岐している脇枝のことをいいます。
この写真の株元の左側部分に真っ直ぐに伸びている主幹がありますが、株元の直後から主幹より太い主枝-1が伸びており、更にその上に主枝-2、-3がありますが、これを見てもはっきり判るようにこの主枝-1優勢枝で、反対に主幹の方が劣性枝ということなります。
従って、ここでは主枝-1を残してその根本から主幹を切り落とします
必ずしもこのように主枝が優勢枝となるわけではなく、このようにして優劣枝を見極めて優勢枝を残していきます。
結果的には、我家のバラは本数も少なく密植してもおらないことから、今回は5本を残すことにしました。  内訳は主幹をそのまま残したもの3本と主幹の劣性枝を切って主枝を残したもの2本としました。
ここで残した枝の剪定の長さの順位ですが、一番太いものから順に長さを詰めて行きますが、地面からほぼ40cmほどの枝の外側の部分に芽が見えましたので、その上の方で剪定(芽の部分の枝の太さより少し多目の長さ)をしました。そして前の太い枝よりやや短めになるように芽を探して順次剪定を繰り返して剪定を完了します。
ちなみに剪定後に一番短い枝の長さは21cmでした。
芽は内側にある芽(内芽)か外側にある芽(外芽)のいずれかを残すようにしますが、一般的には外芽を残すことが良いと思います。
最後の写真は優勢枝と劣性枝を見極めて、主幹を切り落として主枝を残した切り口の部分が判るように、参考のために写したものですが、横から写したものと比較をしてみると良く判るかと思います。
剪定時の切り口には、天に向って平らではなく斜めになるようにして、雨が降っても切り口に水が溜まらないようにして、切り口からの病気や腐りを防止します。

これで剪定も終わりましたので株元から25〜30cm付近(生育の状況によって選択)の両側にスコップを最後まで土の中に押し込んで根を切り(翌年はその反対側)、その後で根切りをした側を掘り起こして、有機系配合肥料(4〜500g)と堆肥を与えて、新しい活力のある根を出させる準備をします。
最後に芽の動かない休眠中の間に石灰硫黄合剤を病虫害の予防として散布(木には10〜20倍くらいの既定よりも濃くして刷毛塗り、地面には50倍くらいに薄めてジョロで散布)をすれば、冬の間の仕事としては一段落となります。


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