鶴首カボチャ
2009年 3月〜

三毛門(みけかど)カボチャの栽培したことをブログに掲載したところ、この種を譲って欲しいと
九州にお住まいのtenmankyさんからご依頼を受け採種しておいた種を差し上げたところ
同じ日本カボチャ品種のこれまたパンプキンスープに適した鶴首カボチャをお礼にということで
お送り頂き、早速カボチャスープにしたところこれまたとても美味しくいただきました。


そんなことから本来なら三毛門カボチャ1本だけでも充分ではありましたが
このカボチャの素性も大変に興味がありましたので、カボチャの作り過ぎは家内から
非難をあびますが、あえてチャレンジのために栽培してみることにしました。



 
 
  • カボチャの種
写真の上の大きな種は西洋カボチャ品種で果肉はホクホクした食感の雪化粧というカボチャで、その下のものは日本カボチャ品種鶴首三毛門カボチャの種で、ハッキリと種の大きさの違いが判ります。

日本カボチャ品種の2つの種の大きさは厚みも薄く小柄ですが、カボチャそのものはどちらも種の大きさにに似合わず3Kg前後ととても大きなものが収穫出来ます。
  • 定植 4月13日 (播種から39日目)
3月5日にポットに種を蒔き4日後に発芽しました。

写真では少し判り難いかも知れませんが、葉脈にハッキリとした白い筋が見えますが、専門家ではありませんのでハッキリしたことは判りませんが、日本カボチャ品種の特徴のように思います。

蔓の仕立てについては、私は親蔓の他に子蔓をを含め5本伸ばし、それ以上に出てくる子蔓は全て切り落としています。
 
 
  • 最初の雌花 5月31日 (播種から77日目)
同じ時期に植えた三毛門カボチャは5月半ば過ぎに開花が始まって既に受粉作業を終えていますが、鶴首カボチャは半月も遅れてやっと最初の雌花が大きくなってきました。

鶴首カボチャとは写真でも判るように蔓から花柄が上に向かって真っ直ぐ伸びてその先に子房、そして花蕾がつきますが、あたかも鶴の首と頭に良く似ていることからその名が付けられたということのようです。
  • 開花しました  6月3日 (播種から80日目)
最初の雌花が開花をしましたので初めての授粉作業をしました。
既に他の子蔓にも雌花が見えはじめており順調に育っています。

この時期あたりから脇蔓(孫蔓)が出てきますが雌花の個所はもとより、それ以外の個所から伸びてくる脇蔓(孫蔓)については出来る限り切り落とすようにします。
 
 
  • 生長過程 〜1 7月3日 (播種から110日目)
果皮の色は開花時点では薄緑色をしていたものが少しずつ緑色が濃くなってきます。

果皮の色は更に日を経る毎に深い濃い緑色に変化をしていきます。  (最後から2枚目の写真をご覧いただくと色合いがわかります)
  • 生長過程 〜2 7月21日 (播種から128日目)
着果後、1ヶ月半くらい経過してきたところで果皮の表面に白い粉がふいてきたようになって写真のような色に変化していきます。

まだこの段階で収穫しても糖度があまり上がっていないので食べるためには芳しくはありません。


 
 
  • 生長過程 〜3  8月15日 (播種から153日目)
三毛門カボチャのサイトでカボチャの生長過程の果皮の色合いを記載してありますが、矢張り同じ日本カボチャの系統ということからでしょうか、果皮の色の変化はまったく同じような変化をしながら大きくなっていきます。

かなり果皮の色は橙色に変化してきましたが、よく見るとまだ全体的に薄っすらと青色の部分が見え、収穫までにはあと一歩といったところです。
  • 収穫しました  8月23日 (播種から161日目)
6月4日に結実してから何と80日も経過してやっと収穫出来るまでとなりました。
収穫したカボチャは形に似合わず何と4.3Kgもありました。
今年収穫したもので小さなもので3Kg弱、大きなものでは5Kgを少し上回るものもありました。

このカボチャも三毛門カボチャ同様に煮付けて食べるよりもカボチャスープがお薦めです。
 
 
  • 樹勢が強い  9月25日 (播種から194日目)

播種から6ヶ月半を過ぎ葉の色がやや黄色くなってきたように見えますが、まだまだ樹勢は旺盛でこの段階で11果ほどの収穫は終えましたが、既に橙色に変化してきているカボチャがあちこちに見えます。

カボチャの仕立て方については巻末で少し触れてみます。

  • 収穫も終わり 9月25日 (播種から194日目)
上の写真の時点で、着果したばかりのものから果皮の色が濃い緑色に変化をしてきてはいますが、この先樹勢が衰えて収穫出来るまでには至らないであろう未熟果については、既に橙色に変化して収穫までできそうなカボチャが6果ほどありましたので、樹勢を保つように全て摘果しておきました。

兎に角、樹勢が旺盛なのには驚かされます。
 
 
  • 撤収 10月12日 (播種から211日目)

結果的に当初目論んだ収穫個数の10果を大幅に上回って、僅か1本から全部で16個の収穫が出来ました。

いよいよ蔓の撤収をしましたが、株元部分の太さは何と直径が5cm強にまで生長して樹勢の凄さをあらためて感じましたが、どうやらこのカボチャを接ぎ木苗の台木として活用するのも面白そうです。



    カボチャの美味しい食べ方
これは日本カボチャ品種に言えることですが、鶴首カボチャ以外でも三毛門カボチャやバターナッツスクワッシュ等も同系統の品種ですが、これらのカボチャは西洋カボチャ品種よりも果肉が軟らかいことと糖度が高いことから、煮付けて食べるよりもカボチャスープとして食べられることをお薦め致します。

カボチャスープは、ここをクリックするとご覧いただけます。
 

日本カボチャ品種の苗の仕立てと育成について
鶴首カボチャは今回が初めての栽培でしたが、同じ日本カボチャ品種の三毛門カボチャも、西洋カボチャ品種と違って開花〜着果〜収穫までの期間が長く、樹勢も旺盛なことから収穫数もやや大目な数量を狙うことが出来そうです。

播種から収穫までに4ヶ月以上もの期間を要しますので、播種時期は暖地の場合3月初めから15日頃までには実施することが良いと思います。

栽培をする畑に余裕さえあれば定植後に親蔓に7〜8葉着いたところで摘心をし、子蔓を左右に3本ずつ、合計6本の子蔓を這わせて夫々の蔓に2果づつ着果させるまでは脇蔓は全て摘芯し、その後の子鶴から出てくる孫蔓は樹勢を保つために夫々1〜2本程度の孫蔓を残して後は全て摘芯していきます。  孫蔓を放置しておきますと物凄い繁茂状態となりますのでご注意ください。
そして孫蔓には着果させないことが良いと思います。

樹勢が旺盛なだけに収量を多く確保するためには、追肥については定植後は半月毎に蔓先に2〜3回にわたって化成肥料を施すことが必要だと思います。