トルコのメロン
(
KAVUN
(カウン) = トルコ語でメロン
)
2004年 4月
このメロンは北海道にお住まいのcitydeさんが、1、2月と中東諸国を廻られた際に入手された種を
帰国されて直ぐに、黒い蕪(Black Radish)と西洋葱(Leech)と合わせて送って頂きました。
「
メロン
」
と分かるまでの裏話
さて、困ったことに送って頂いた三つの種の袋の中で、
蕪
と
葱
は英語での簡単な栽培の時期や方法が書かれているが、 もう一つの袋には左の写真のカボチャのようなものが写っているおり、全てトルコ語だけで 表示されているために、この代物が何なのかがサッパリ分からない。
そんな折、静岡国際園芸博覧会(浜名湖花博)が開催され、ここにトルコ共和国も出展していることから、種の袋を持参し居合わせたトルコの方に訊ねたところ、
「メロン」
であることが判明した。
栽培方法についての説明がどのように書かれているのかと思えば、どうやら
「水はけの良いところに種を蒔き、その後移植して育てる」
程度の簡単なことしか書いてないそうだ。
どんなメロンであるのかも何も書いてないそうで、取りあえずはメロンと分かっただけでした。
てな訳で、メロンであることは確かなようで、ネット検索で「トルコ メロン」で検索したところトルコでは「メロン」、「西瓜」が一般的に良く食べられているという記事がたくさん出てきた。 その写真の中に上の写真に良く似たものが写っているサイトもあり、もしこれが一緒のものであれば結構甘くて美味しいようだ。
(*^-^*)ノ
てな訳で、メロンであることは確かなようで、夏野菜の種蒔きに合わせて栽培することにした。
幸い我家にはミニ温室があり、
露地栽培
と
温室栽培
の両方で育ててみることにする。
4月24日 5月11日
・
種蒔きから発芽まで
(日付は撮影日)
兎に角、詳しいことは分からないので、メロンといっても一般的に露地栽培をしているメロンや瓜類の感じで、適当にやってみることにする。
袋に入っている種の2割は中身が空っぽで、かなりいい加減なものだ。
ちなみに一緒に戴いた葱の発芽率は1%に満たない状態で全滅でした。
我家の夏野菜の種蒔きに合わせて4月15日に種蒔きをしたところ6日後の21日に発芽した。
その後順調に育ち始めたが、確かに瓜類の葉であることには間違いない。
ここから
「露地栽培」
と
「温室栽培」
の2つの方法で記録してみることにしました。
こちらは、
露地栽培
です
例年栽培している瓜類と一緒の感覚で
一般的な栽培方法でやってみる。
こちらが、
温室栽培
です
幸いにもお隣りがメロン農家なので
同じ栽培方法で試してみる。
定植
5月15日
(種蒔きから30日目)
この辺は結構風が強いことと、まだこの時期でも
夜と明け方はまだ幼苗には寒さが影響するこたから
取りあえずトンネルを掛けて少しでも成長を
促進させることにする。
定植
5月15日
(
種蒔きから
30日目)
土はお隣りでメロン栽培用の土を戴いてきた。 田圃の
土が大半を占めているという。 鉢は手ごろなものが
転がっていたのでこれを活用する。 当面は絶対に水を
切らしてはいけないそうだ。
敷き藁
5月27日
(種蒔きから42日目)
暖かい日が続くようになってきたのでトンネルを外し
稲藁を準備して一面に敷いた。
矢張り温室に比べると成長具合はやや遅い。
支柱取り付け
5月30日
(種蒔きから45日目)
急激に成長していくので支柱を施すことにした。
温室の方が、やはり成長具合はかなり早い。
それは、脇芽の出る節の数で良く分かる。
成り花が・・・
6月4日
(種蒔きから50日目)
基本的に株元からの主蔓は3本仕立てとし、主蔓から
出てくる脇芽に付いては取りあえずは放置する。
その後何本目かに出た脇蔓に早くも 成り花が出てきた。
カット画像に2つ見えるがそのまま観察してみよう。
芽欠きについて
メロン栽培は、基本的に1本に1個の玉だけを作るが、この
時に株元から12番目の節までに出る脇芽は全て取り去り
13〜15番目の蔓の1節目に付く成り花の中から良いものを選択するそうである。 従ってこの段階で成り花はない。
着果せず・・
6月12日
(種蒔きから58日目)
今迄に色々な瓜類を作ってきたが、西瓜と南瓜以外は
人為的な受粉をしたこともなく、開花した時点で
そのままにしておいたところ、ご覧のように着果せず
枯れ落ちていく状態になってしまった。
もっとも、丁度この時は梅雨真っ只中で雨降りであった
ことも影響しているのかもしれない。
???・・・
6月15日
(種蒔きから62日目)
本来は13〜15番目の節から出る蔓のものが良いとの
ことだが、12番目の蔓の1節目に成り花が出たので
開花して着果するかどうか様子を見たが、これも
知らずに受粉をしなかったところ着果に至らなかった。
右の成り花は、13番目の蔓に今朝開花したものです。
この成り花には、早速受粉しておいた。
花の受粉について考える
屋外で育てる場合には、色々な種類の虫たちが花粉を求めて開花に合わせてオシベやメシベに
群がってくることに寄り 虫を介した受粉作業がお顔なわれることにより着果がされる。
左の画像
は、雄花と雄花の花弁を取ってみたものだが確かに柱頭には花粉が少量ではあるが
指先にこすってみると僅かではあるが付着するのがわかる。
右の画像
は、露地栽培の雄花を写したものだが、オシベの 柱頭の回りに黒い点のようなものが
3つほど見えるが これは体長1mmほどの虫である。 このような虫も受粉の
お手伝いを自然界の中でやっていてくれるようですね。
しかし、温室の場合に虫等がほとんどおらず受粉作業を人為的にやることが必須要件のようです。
何れの場合であっても、人為的な受粉作業は何ににも増して着果には効果があるようだ。
こちらは、
露地栽培
です
こちらが、
温室栽培
です
脇蔓が・・・
6月18日
(種蒔きから65日目)
脇蔓が無数に伸び始め、その脇蔓に成り花が出てくる
ので、毎朝それを確認するのがとても楽しみである。
既に、多分着果したであろうと思われるものが
全部で10個以上はできたであろうか。
数日前に、両脇に追肥をし、稲藁を追加した。
やばっい
!
6月18日
(種蒔きから65日目)
最初から右側のものが何故か葉の色が少し違っており
何であろうかということは分からなかったが
個々一週間ぐらいで、葉脈付近から黄色くなり始め
抜くことにした。 矢張り根はしっかり張っていなかった。
こちらにも追肥として、配合肥料を与えておいた。
完全に着果
6月20日
(受粉から5日目)
畑の場合には、上の写真のように小さな虫や蟻、蜂等が
くることから、放っておいても問題なさそうだが、受粉を
したことからであろうか、最初のものは随分大きく
なってきた。 受粉以降5日目で4.5cmになった。
これを含めて、成り花は15くらいになりました。
こちらも・・・
6月20日
(受粉から6日目)
12番目の節の蔓からでた成り花が完全に着果した。
さすが、温室の方が余分な脇蔓を全て切り取ったり
したためであろうか、路地ものより着果が一日
早かったとはいえ、大きくなるのも早い。
もう直ぐロープで吊らなくてはいけなくなるだろう。
成長過程の不思議
6月23日
(受粉から9日目)
メロン農家の方が栽培しているような方法で12、13、14,15と夫々の節から出た蔓の一番目の節から
必ず
「成り花が出てきた」
ことも不思議だが、更に驚いたのは欲張ってあわよくば3個とも上手に育てて
ゲットしようと思ったのですが、そうは問屋がおろしませんでした。 (笑
最初の節に着果したメロンに全て養分が吸収されていくためなのでしょうか、写真の左側に見えるのは
2日後に着果したのですが、一週間経過後でも殆ど大きくなっていません。
そこで、14,15番目の脇蔓は、全て切り取ってしまい12番蔓に養分がいくようにしました。
また、13番目の節から数えて上に13個、即ち株元から26番目の節のところで主軸の先端を切り落としました。
この時点で、夫々の節から出てきた脇芽(蔓)は全て切り落としてあります。
「葉の枚数」
ですが、夫々の節から出てきた脇芽は全て切り落としてあることと、株元から5番目の節から
出ている葉は切り取ってありますので、全てで21枚ということになります。
徐々に成長
6月27日
(受粉から12日目)
順調にメロンが大きくなってきました。
しかし、人為的な受粉をしてきたにもかかわらず
あれだけあった成り花が着果せず、残念ながら
かなりの数が腐って落ちていきます。
矢張り樹力とのバランスがあるのでしょうか。
うへっ
!
6月27日
(受粉から13日目)
朝起きて見に行くと本当に目を疑ってしまいます。
前の写真のときから、たった一週間の経過で
大きさは
15cm
にもなり露地とは比べものにならない程
けた違いに大きくなり、ただ只驚きです。
蔓は自力では切れてしまいますので紐で吊るしました。
やばっ
! 〜1
7月2日
(受粉から17日目)
どうも1本だけ成り花が出でもいつまでたっても 着果する
様子がなく、実が黄色くなって枯れていく。 不思議に
思っていたところ、全体的に茎や葉が黄色くなり始めた。
何かの病気だと伝染してもと思い抜くことにした。
原因は定かではないが、根がシッカリ張っていなかった。
頼みは残る5本だが、うどん粉病が出てきたぞ
!
やばっ
! 〜2
7月2日
(受粉から18日目)
こちらは、突如降ってわいたように一昨日になって急に
一枚の葉が枯れ始めてきた。 良くみると他の葉の
数枚にも、それらしき斑点が見られる。
前回、枯れてしまったものとは全く事象が違うので
これまた原因が解らない。
このまま後20日間くらい
持ち応えてくれれば良いが、多分ダメだろう。
(涙
何とかなるかな
7月2日
(受粉から23日目)
左上が観察中のメロンで、果長は16cmになりました。
収穫できるまでには、残り20日間くらいは掛かりそう
ですが、このところ梅雨の中休みで連日30℃を越す
真夏日が続いています。 そのためか葉の勢いも
少しずつ減退しているようで、何時まで絶えられるやら・・・
=
以下は露地栽培の記録のみです
=
一巻の終り
(涙
7月8日
(受粉から24日目)
矢張り一週間とは持ちませんでした。
最大の原因は、水の補給の仕方にあったんでしょう
?
数日前に種蒔きを終えた苗が育っており再度チャレンジ
しようと思いましたが、7月後半には北海道への
ツーリングに出かけることから中止としました。
=
以上で温室栽培の記録は終了
=
何とかなるかな
7月15日
(受粉から36日目)
Part - 2
今年は梅雨の中休みが長引いたことと、7月10日前から
真夏日が続いたこともあって、他の作物へも影響が
出始めたが、暑さには弱いとされている瓜系は
顕著にその影響が出てきており、露地栽培のメロンも
ご覧の通り、残った4本のうちの2本は葉は完全に
枯れ落ちて、着果したメロンだけが哀れにも残っている。
しかしながら、何とか残り2本だけが半分以上の葉が
今日も35℃を越す暑さの中で、まだ何とか元気に
緑色を保っており、一つでも収穫できるのが待ち遠しい。
幸いにも、最初から観察しているメロンだけが一番元気に
育っているので、通常のメロンが着果後45日程度で
収穫するということなので、もう一週間少し経過すれば
収穫できるのではないかと思います。
現在、
果長は16cm
にまでなっております。
種袋の写真と良く似てきましたね。
収穫しました
7月20日
(受粉から41日目)
そろそろ、40日も過ぎたのでどんなものかなと持ち上げて
みたところ、他のメロンと比べて柔らかい感じがしました。
一般的にメロンというと、どんなものでも熟れてくると
鼻を近づけると結構甘い香りがしてくるものだが
まったくといって良いほど香りはしてこない。
まだ蔓はシッカリしており、葉の状態も上の写真とほとんど
変化はないので、収穫としては成功したといって良い。
このメロンは私も食べたことはないので比較する術もないが
メロンというからには兎に角甘いというのが常識である。
2〜3日経ったら割ってみることにしよう。
身長 :
16cm
、胴回り :
12cm
、体重 : ピッタリ
1.0Kg
でした。
(*^-^*)ノ
食べてみました
7月25日
(受粉から46日目)
収穫後、数日放置した後で冷蔵庫に入れて冷やしました。
見た目には、とても美味しそうな感じがしませんか?
しかし、切ってみたところ普通のメロンのように甘い芳しい匂いが漂ってきません。
先ずは、冷蔵庫から取り出して食べてみることにしました。
果肉は、切った瞬間密度がなく瓜類に茄子のサクサク感を少し加えたような柔らかさでした。
この一瞬、甘さについては半ば諦めました。 さて、結果は・・・・・。
矢張り糖度は低く
、何となくメロンであるような感じはしましたが、
「ああ、美味しかった」
というような
ものではなく、
胡瓜に僅かな甘味がのっかった
ということでご想像ください。
(笑
それとも食文化の違いからくる日本のメロンとの相違なのでしょうか。
自分の栽培方法にに欠陥が
あった と言うようなことは、更々考えていない馬鹿親父のたわ言でした。 m( _ _ )m
<< トルコメロンの収穫を終えて >>
最終的には露地栽培で収穫したものを試食したわけですが、特に大きな栽培上での誤りをした
ということも考えづらく、詳しい原因は解りませんが、気候風土の違いから上手く出来なかった
のではないかということくらいしか考えがつきません。
最後は、
「美味しかった」
という良い答えを出すことが出来ずに大変残念でした。
最後までご覧になられた方には深くお詫びをいたします。
m( _ _ )m
終 り
現在は栽培しておりません