エアーポテト(宇宙芋)
2004年 3月

種苗提供コーナーで私が採取した種を差し上げている関係で、お礼にといって大変珍しい種を戴く
ことがあります。  このエアーポテトも熊本にお住まいの本田さんから送って頂いたものです。

ご丁寧に栽培資料とレシピがついた資料までお送り頂いたが、なが芋は例年栽培しており
どうやら、この辺の砂質土壌が良いということで、何の問題もなさそうである。


後々の覚えとして、お送りいただいた資料の一部を抜粋しておきましょう

エアポテトの原産地は熱帯アジア・フィリッピンで、ヤマイモ科に属するようです
< 植付け方法 >
1.用土はやや酸性が強く、肥料系の強い砂質土壌が最適。 市販の培養度でも良い。
2.長いもや山芋と同類と考えてよく、植付け時期は4月上旬〜5月
3.植え付ける深さは 4〜5cm とし、株間は 30〜50cmとする。

< 育て方 >
1.蔓(つる)性植物であることから支柱を立て1.5mぐらいのフラワーネットか胡瓜ネットを張り蔓をからませて栽培する。
2.7月末くらいに追肥をすると、大きいムカゴが収穫できる。
3.8月下旬頃からツル状の葉の付け根にムカゴがつきますが、これは完熟しないと苦いです。
4.完熟期前、10月頃には落葉が始まり、完熟するとむかごは自然落下する。

< どんなものが >
1.秋には、空中に無数の巨大なムカゴ(宇宙芋)ができる。 また、地中にも球形の芋ができる。
2.菊芋同様に血糖値を下げる効果を持ち、一般的には蒸して食べたりたり味噌汁の具として利用できます。


エアーポテトの種芋です。 未確認宇宙物体なんて見たことはないのですが
あたかも宇宙から飛来してきたUFOのような形状に見えます。
大きさは、大きいもので横幅の最大が 8cm もありました。
 
 
  • 新しい芽が・・・  3月12日 ( 種蒔きより28日目)
Hさんから送って頂いた折に、新聞紙でくるんだ状態でしたが、そのままの状態で室内の常温状態で箱に入れ放置しておきました。

行きつけの種屋さんに出かけた時に、店頭に出ていた山芋を見たところ、既に芽が出かかっていましたので、早速家に帰って確認したところ、写真のような状態で新しい芽が出始めて今した。
早速、植え付ける場所の畝作りをしました。
  • 蔓が延び始めました 5月4日(植付けから50日目)
3月15日に種芋の植付けをしました。
同様に芽が出始めた長芋を3日程前に植え付けたのですが、こちらは植付けから25日後に発芽したのですが、1ヶ月を過ぎても発芽の気配もなく、土の中で腐ってしまったのではと心配しましたが、37日目の4月27日にやっと1本目が発芽しました。
長芋より蔓の伸び方よりもやや遅く、後2個の種芋からは、まだ発芽の気配はありません。 そっと掘ってみましたが、土の中で大分芽は大きくなってきていました。
 
 
  • 支柱立て  6月 1日 (植付けから77日目)
つる性植物ということと、空中でできるムカゴを収穫するということから、どのような支柱の仕立てが良いのか初めてのことで、サッパリ分からないので蔓の伸び具合によってどのようにするか、様子を見ることにする。

取りあえず、手に入れた3mの長さの篠竹を支柱として立てて、その後の状態によって「ネット」にするか、支柱 を使って「ぶどう棚」のようにするかの決定することにする。
  • ネット & 棚  6月26日 ( 102日目)
結果的に台風の時のことなどを考えて、当初予定しておいたとおり、棚の役目も兼ねて支柱を垣根に固定させ、芋蔓がどのように延びていくのかの予測も立たないために、縦の支柱部分と棚の上に伸びていっても良いように、天にもネットを張ってみました。
お陰で、これならばチョット位の台風ではビクともしないような強度になりました。(笑

後日の反省3本の苗でこの棚ならばと安心していましたが、蔓の延び方が旺盛でこれでは日当たりも悪く、アブラムシにもやられ易くなりますのでもっとゆったりとしたスペースが必要かと思いました。
 
 
  • 蔓が延びました  7月21日 (植付けから127日目)
今年は梅雨の中休みが長かったことと、それ以降真夏日が続き降雨量も少なく、蔓の伸び方も少し遅いような気がします。

それでも補強を兼ねた支柱やネットにも蔓が少しずつ伸びてきており、よくみると蔓から伸びている葉柄の付け根になにやら直径2mm程の丸いものを見つけた。
どうやらこれが空中に実をつけるムカゴ = エアーポテトであろう。
  • アブラムシ  9月10日 ( 178日目)
その後、蔓から出た葉柄の根本に出来たムカゴが一考に大きくなる様子がない。
元気に大きくなっていた葉が黒く縮まり始めている。 よく見ると葉の裏側にアブラムシの大群と黒くなった葉の部分には粉チーズのような白いアブラムシの抜け殻が無数に点在しています。  このような葉は枯れてしまい、樹勢をも停滞させてしまいますので、これが原因かもしれません。
 
 
  • ムカゴの成長  10月12日 (植付けから210日目)
7月の終り頃にムカゴらしきものが見えていたが、その後一向に大きくなる気配がなかった。
アブラムシの襲来により葉が萎縮して枯れたりすることが原因なのかと思い、半ば諦めかけていたのですが、久し振りに覗きに行ってみたところ、2cm位になっているムカゴを発見。 
よく見ると、あちこちに予備軍が沢山見られるが、我家の長芋は既にムカゴも沢山つき、蔓も枯れ始めてきているので、果たしてこれが大きくなるかが心配です。
  • だいぶ大きくなりました  11月5日 (234日目)
このところ行楽シーズンを迎え、出歩くことが多くなって合間をぬっては最低限度の家庭菜園の仕事はやっていたが、久し振りに観察したところ「コブシ大」とまではいきませんがかなり大きなものがあちこちに見られるようになりました。
ただ、少しだけ気になることは戴いたときの「宇宙芋」の形のように如何にも宇宙船のような形ではなく、角がなくやや丸みを帯びていますが、大きくなるに連れて形が変わっていけば良いのですが・・・。
 
 
  • ムカゴの収穫  12月9日 (植付けから269日目)
ムカゴの収穫という表現でよろしいのでしょうか。(笑

どうやら、地中に長芋のように出来るものを期待するのではなく、空中にできたものを収穫するということのようですので、こんなことで理解しましょう。
大きいものは、頂いた時と同じような大きさになりましたが、大半は小さなものばかり。 やはり、栽培方法が解らなかったというのが一番の原因ですね。

それでも、全部で2.3Kgの収穫でした。
  • 地中の芋の確認  12月11日
長芋は既に葉も蔓も枯れてしまい、既に収穫しましたがエアーポテトはこの時期で葉は少し黄ばんではきましたが、枯れてくる様子はありません。
しかし、これ以上の成長は望めそうにもありませんので、地中の芋がどのようになっているのか掘ってみることにしました。
種芋を3個植えたのですが、蔓は2本、1本、2本というように5本出ましたが、夫々の蔓に一つずつ芋がついていました。
 
 
  • ムカゴと芋  12月11日 (植付けから271日目)
芋の根を全て切りとって見ましたがこんな感じです。

ネット検索で他の人の作ったものを確認しみたところ、上手く出来れば直径10数cmにはなるようですが、全然大きくはありませんでした。
 (参考までにタイルの一辺は10cmです)

芋の皮を剥いてみたところ薄い黄色をしていました。 ムカゴの方は剥いた直後はほとんど白色でした。
  • 食べてみました  12月11日
先ず、地中の芋の方ですが、皮を剥いたところ表面のヌルヌル感もほとんど長芋と同じで、摺りおろしてみたところ、凄く粘りが強く餅のように伸びました。
灰汁(あく)が強いのでしょうか、最初薄い黄色でしたが、1〜2分で見る間に色が変色していきました。
摺りおろした宇宙芋は山芋と同様な粘りがあるだけに、後になって唇が少し痒くなってきました。
味は、全く長芋と変わらず色だけが少し気になりますでしょうか。(笑  大きければ素晴らしい芋ですね。
 

終 り
矢張り「ヤマイモ科」に属しているということだけあって粘りがありましたが、食感も通常の山芋と
ほぼ同様でした。  今回は、アブラムシによって随分葉が痛めつけられてしまい結果的には
あまり良い出来ではありませんでしたが、中々面白そうな食べ物で次回は上手く育てたいですね。  


現在は栽培しておりません